経済財政諮問会議という現代の大本営
大本営とは
「大本営発表」という言葉を聞いたことがあるかと思います。社会の授業で習いましたよね。大本営が国民に向けて、戦争の状況を伝えていました。終戦間近は、虚偽の情報ばかりでしたけど。
現代社会では、虚偽の情報を伝えることを大本営発表と言います。
そもそも大本営とは、日清戦争から太平洋戦争までに設置された、日本軍の最高司令部です。
次長(参謀次長・軍令部総長)
第一部長(作戦部長)
作戦課長
このメンバーで構成されていました。
統帥権の独立のため、内閣総理大臣・外務大臣などは出席できず、陸軍大臣・海軍大臣は出席できても発言権はありませんでした。
戦時中は、こうした一部メンバーにより作戦が遂行されていたのです。
現代の大本営
経済財政諮問会議という、内閣府に属する重要政策会議があります。2001年に橋本龍太郎内閣で設置されました。
構成メンバーは、内閣総理大臣含めて5人の大臣・民間議員4人・日本銀行総裁の計11人です。
その役割としては
経済全般運営の基本方針、財政運営の基本、予算編成の基本方針、その他の経済財政政策に関する重要事項を調査審議する。
日本経済の低迷を意味する、失われた20年という言葉の出発点は、この経済財政諮問会議発足と合致します。
日本の経済財政政策決定までの流れ
日本の経済財政政策は、この経済財政諮問会議が司令塔の役割を果たします。
経済財政政策が決定する流れをみていきましょう。
①経済財政諮問会議が、骨太の方針(経済財政改革の基本方針)を策定。(6月頃)
④各省庁から、財務省へ概算要求する。
⑤財務省原案がでる。
⑥政府原案がでる。
⑦国会で審議・可決する。
経済財政諮問会議の原案(骨太の方針)に沿った政策が、国会で可決する流れとなっているのです。
過去の主な政策
経済財政諮問会議が行った過去の政策はどのようなものがあるでしょうか。過去の政策といっても、ほとんどの政策の指針を決定しているので、我々の生活に直結しているものをご紹介していきます。
・郵政民営化関連法案
・消費税増税
・厚生年金保険料増額
一番有名なのは、小泉内閣時の郵政民営化関連法案でしょうか。小泉元首相はこの経済財政諮問会議をうまく利用して、マスコミを通じて国民にアピールしました。結果は皆さんご存知の通りです。
経済財政諮問会議は、現在の菅政権においては財務省の影響下にあると言われています。国民からまんべんなく徴収できる消費税については、虎視眈々と値上げのタイミングを見計らっていると思います。paypayなどのQRコード決済の普及・マイナンバーカードの導入は、そのための布石と言えます。
2020年9月から、厚生年金保険料が値上げとなりました。対象となったのは年収が762万円以上の方で、月額約5000円の負担増です。それも等級を1段階あげるという姑息なもので、サラリーマンには分かりづらいものです。税金を徴収したくてたまらないでしょう。
国民にできること
政治に無関心な国民が増えている、と言われて久しいです。国政選挙の投票率も50%前後と、有権者の半分が棄権してる状況です。
失われた20年と言われていますが、このままだと30年、40年になってしまいます。
国民の政治に対する無関心を逆手に、権力者側は自分たちの都合の良い政策を続けています。そのためには国民の側も政治に関心を持ち、常に監視の目を光らせることです。
一人でも多くの国民が、政治に対する関心を寄せることを期待します。
共産党は禁断の果実なのか
突然の発表
2021年7月12日のことです。
日本共産党小池書記局長は、次期衆議院選挙に予定している、東京2区の候補者である細野真理氏を比例代表東京ブロックへ転出することを発表しました。比例票の掘り起こしが主な理由とのことです。
マスコミもよく分かっているようで、すぐさま立憲民主党へ取材に行きました。報道によれば、立憲民主党は困惑しているようです。
2021年7月4日に投開票が行われた東京都議会議員選挙において、立憲民主党は議席を倍増させました。主な要因としては、共産党による、ほとんど一方的な選挙協力にあります。共産党候補者が立候補を取りやめることによって、立憲民主党へ得票が集まったためです。
立憲民主党の支持母体である、労働組合の中には共産党アレルギーがあると聞きます。議席確保のためには、共産党の申し出を受け入れるしかありません。
人間関係に例えると
そんなに好きでもないけど、お金(集票)があるから付き合っておくか。また周囲(支持者)は反対するから、ポーズでも嫌な感じはだしとくか。といったところでしょうか。
自民党・公明党という与党に対抗する上で、野党連合を結成するための中心的な存在に共産党はなったのです。
戦後長い間、いわゆる共産党抜きという状態からやっと陽の目を見る存在になりました。ようやく共産党にも春が訪れたのです。
立憲民主党の取るべき態度とは
冒頭にあった衆議院東京2区での事例で、立憲民主党はどのように反応すべきなのでしょうか。
歓迎すると表明した場合
今回の困惑という態度表明も、歓迎するのと同じ態度と周囲にはとられています。同意したということです。この場合、有力な支持母体である労働組合からの強烈な突き上げがあることでしょう。それを避けるために、困惑という態度表明をしたものと思われます。
安倍政権になってからが特に顕著ですが、自民党政権の経済政策は左派的なものとなっています。首相自ら経団連に賃金アップを申し入れるなんて、本来立憲民主党などの左派がやるべきことです。
立憲民主党がこうしたあいまいな態度をとり続けていくと、有力支持母体を徐々にうしなっていくことでしょう。
拒絶した場合
「共産党とは連携していません」と表明した場合、それでも共産党は何らかの手段で立憲民主党を取り込もうとするでしょう。共産党は陽の目を見たくてしょうがないのです。
支持者にも良い顔ができるし、共産党の協力も得られるし、一挙両得の戦力となります。
共産党はどのような組織なのか
共産党は、破壊活動防止法の対象団体です。警察庁としても、暴力革命の方針を堅持していると認識しています。
日本の公的機関としては、そういう認識だということです。
党員は2000年には約39万人だったのが、現在は約27人となっている。主な収入源となっているしんぶん赤旗の購読者は、1980年代は355万人が、現在は100万人を割り込んだと見られています。
共産党の党員の半分以上が、65歳以上となっています。若者が入党しない政党に未来はあるでしょうか。
共産党が立憲民主党に近づく背景には、党員の高齢化と減少に対する猛烈な危機感があるのです。
今後の行方
立憲民主党は、今後も曖昧な態度をとり続けるでしょう。それは結局有力な支持者の離反を招き、組織としての弱体化を招くことにつながります。
また共産党の老獪な戦略にはめられ、薬漬けになった体のように蝕まれていくことでしょう。
共産党が以前言っていた、「確かな野党」は必要だと思います。しかし、政権を目指さない無責任な野党は必要でしょうか。
私自身は自民党支持者ですが、政権戦略を持った野党は必要だと思っています。それは日本国民にとって不幸以外何者でもありません。
2021年東京都議会議員選挙 本当の勝者は共産党である
小池旋風の再来
2021年東京都議会議員選挙が投開票されました。
雨の中、コロナ禍と要員は色々あったとは思いますが、史上2番目に低い投票率となりました。その中でも小池知事の一挙手一投足に、注目が集まった選挙となったことも事実であります。
6月21日
都民ファーストの会からの選挙協力要請に対して、「協力しかねる」との回答。
自らが創設した政治団体ですよね・・・。
6月22日~30日まで
過労により入院。長すぎですよね・・・。
入院中のコメント
「都政の課題が山積する中、改革を続け伝統を守る皆様にエールを送る」
一瞬、自民党・公明党に送ったメッセージと勘違いしてしまいました。
7月2日
酸素ボンベを持って都庁へ来て、記者会見。
天才かよ・・・。
7月3日
都民ファーストの会の候補者の事務所へ出向き、激励する。
「協力しかねる」じゃなかったの?
約2週間、個人的にも振り回されてしまいました。都民の皆さん、全国の皆さんもそうかと思います。
事実として、定数127の過半数を占めた政党はありませんでした。そういう意味では勝者なき選挙だったのでしょう。
マスコミ報道では、都民ファーストの会は善戦した。また公明党は23人全員当選した、などの報道はあります。
今回の結果を受けて、公明党は小池都政への協力を全面にだしていくでしょう。もともと創価学会の選挙の主力部隊である、婦人部に小池知事支持が多かったこともあります。小池知事としては大勝利だったと思います。
今回の東京都議会議員選挙で、改めて底力を見せつけたのが共産党であると私は考えています。
国政選挙の前哨戦なのか
マスコミ報道では、東京都議会議員選挙は国政選挙の前哨戦と言われることが多いです。注目を浴びるという意味では、前哨戦と言えなくもありません。
東京都議会議員選挙を含めた地方選挙は、中選挙区制。衆議院選挙は、小選挙区制という大きな違いがあります。中選挙区制は、少数政党が当選しやすい選挙制度です。
中選挙区の選挙結果というのは、大きくブレづらい傾向にあります。自民党長期政権が続いたのも、そのせいです。
東京都議会議員選挙の意味とは何なのでしょうか?
そのバロメーターとは、政党間の選挙協力ができるかどうか。この1点にかかっています。
共産党の底力
今回の選挙で、自民党と公明党は選挙協力をしていました。公明党は候補者全員当選しました。自民党の候補者選定不足ということもありますが、公明党との選挙協力がうまくいかなかったという結果になっています。公明党としては自分の選挙で精いっぱいで、それどころじゃないということだったかもしれませんが。
共産党は立憲民主党との選挙協力をしました。候補者擁立も両党間で、うまく棲み分けができたのではないでしょうか。
共産党 18 → 19
立憲民主党 8 → 15
選挙協力というよりも、立憲民主党へ貸しを作ったという表現の方が正しいですね。
集票力については公明党がよく話題になりますが、共産党はそれに匹敵する底力があることが改めて示すことができました
唯一の失敗例が、北多摩3選挙区です。公明党と共産党の差は、354票。このおかげで、公明党は全員当選を果たしたのです。
石原伸晃議員の次回選挙危ないぞ
衆議院東京8区(杉並区全域)。この選挙区は、自民党の石原伸晃議員が連続10回当選している選挙区です。
今回の東京都議会議員選挙と前回の衆議院選挙を見て分かる通り、立憲民主党・共産党含めた野党連合ができれば結果は覆ります。
東京8区に限りません。全国各地にこういった激戦区は存在します。
10月に行われる衆議院選挙に向けて、自民党衆議院議員の戦いが始まったのです。
マスコミはなぜ野田聖子衆議院議員を批判しないのか
憲政史上初の女性首相候補
女性の登用ということが社会で叫ばれるようになって、久しい。でもなかなか進まない。女性だから登用されるのは、男性からしたら逆差別であって。能力で選ばれるべきだと私は考えます。同じ能力なら女性、ということなら分かります。
自称「初の女性首相候補」である、野田聖子衆議議員は2021年に行われる自民党総裁選に立候補するのでしょうか。過去2回立候補に向けた動きはありましたが、国会議員の推薦人20人に足りず断念しています。要するに、周りは総理総裁候補だとは思っていないということなんですね。
そんな野田議員に関して、裁判がありました。
週刊新潮が、野田議員の夫が暴力団に属していたと報道。それに対して、野田議員の夫が提訴。
2021年4月、東京地裁で判決が言い渡されました。
結果は野田議員の夫の請求を棄却。「反社会的勢力」に属していたことを裁判所が認めるというものでした。当時野田議員の夫が属していた組の組長が、裁判所に証人として出廷したことが決め手となった模様です。
ここでは野田議員の道義的な問題は、本人の判断に任せたいと思います。(どうせ辞職などはしないと思いますが)
この裁判に関して、大手マスコミは沈黙を守っています。週刊誌報道やインターネットで報道されているくらいでしょうか。
その理由を検証していきます。
憲法改正反対(慎重)派を擁護する報道姿勢
総理大臣になってほしいランキングで上位に位置する、石破茂衆議院議員はなぜ国民の人気が高いのでしょうか。それはマスコミ露出が高いためです。
政権に批判的な言動は、マスコミに取り上げられやすい。それも自民党内から出る批判については、マスコミの大好物です。いわゆる党内野党という存在です。
石破氏や野田氏、また村上誠一郎衆議院といった自民党では窓際族が脚光を浴びるのはそのためです。とりわけ憲法改正についての反対意見については、トップニュース扱いとなっている。憲法改正に消極的にといわれる岸田文雄衆議院議員が、割と好意的に報道されるのもそのためです。
安倍政権は結果的に長期政権となりました。過去の政権と比べて、あれほどマスコミの風当たりが強い政権はありませんでした。それは憲法改正を旗印に掲げた政権だったからです。
大手マスコミが反日の理由
マスコミが憲法改正に反対なのは、なぜなのか。
敗戦により、マスコミの部長級以上は解雇されました。それによって、課長以下がその業務を引き継ぐことになります。
昭和20年から27年までの間、占領軍(GHQ)の言論統制により、敗戦までの政策を否定する記事しか書けなくなったのです。この間、共産主義を信奉する者によって新聞社は支配されるようになりました。
当時、テレビは新聞よりも格落ちの存在でした。学生運動などをしていた者の就職先として、教員・公務員・マスコミに多くながれていきました。学生運動をしていた多くは高学歴だったため、就職は容易だったと思われます。
朝日新聞は敗戦まで、最も戦争を煽っていたマスコミです。朝日新聞のスター記者だった尾崎秀実氏は、軍国主義の紙面作りを担っていました。戦争のさなか、ソ連のスパイとして逮捕され、裁判で死刑となりました。現在は朝日新聞は、最も憲法改正に反対のマスコミであり、最も日本の国益に反するマスコミとして有名となっています。
マスコミのこれから
朝日新聞は2020年度決算で、419億円の損失をだしたことで社長が辞任しました。45歳以上の社員を対象に早期退職も発表しています。
この報道を見て、朝日新聞の経営がすぐに危機になることはありません。数十年前に国有地を破格の安値で譲り受け、その不動産収入は莫大なものとなっています。それは他の大手マスコミにも言えることです。本業では利益は激減しているが、不動産収入で赤字分を賄っている状態となっている。
若い世代で新聞を購読したり、テレビを視聴する割合は激減している状況なのは周知の事実です。インターネットで情報にアクセスして、真実を知るようになりました。若い世代の政権与党支持が高いのは、そういったことが関係していると思います。
ブログやSNSを通じた個人の主張ができるようになり、我々は情報を入手する間口が広がりました。以前は情報は大手マスコミを通じて、受け取るだけ。現在は発信することができます。
新聞を購読したり、テレビのワイドショーの視聴者の多くは高齢者です。高齢者は投票率が高いので、まだまだマスコミの影響力は、一定の割合であるのが現状です。
世代交代が進むにつれて、世の中も変わっていきます。情報量も膨大になります。その際一人一人何が正しいのか、見極めていくのも課題となってくるでしょう。
林芳正氏出馬は世代交代を加速させる
衆議院山口3区
2021年10月21日に衆議院議員の任期が終わるため、解散総選挙の日程がマスコミに報道されることが多くなってきました。各政党でも公認候補の選定、政界引退の発表も目にするようになりました。
そのような中で、林芳正参議院議員(山口選挙区)が次期衆議院選挙において、山口3区から出馬するとの報道がありました。(2021年6月時点での本人発表はまだ)すでに住民票を山口3区に移したとのことですので、確定的かと思われます。
山口3区には自民党二階派の重鎮である、現職の河村建夫衆議院も立候補の構えをみせており、自民党分裂選挙の公算が強くなってます。
林芳正氏が実際に立候補に踏み切った場合、勝利することは極めて高い状況です。
その理由は以下の2点です。
宇部興産の存在
宇部市の人口は約16万人。山口3区に占める割合は50%を越える大票田となってます。宇部市でどれだけ票を獲得できるかが、勝敗を決することになります。
宇部市を代表する世界的企業である宇部興産は、年商6000億円強で従業員は1万人を越えます。周辺の取引先を含めれば、膨大な数となります。その宇部興産が公ではないにしろ、どちらの候補を支持するのか。ここが決め手になります。
林芳正氏は、宇部興産の創業者である俵田明氏のひ孫という関係にあたります。また現在の代表取締役である泉原雅人氏とは、下関西高校・東京大学の同級生という間柄になります。
二階幹事長の退任
林芳正氏の立候補にあたっては、河村建夫氏所属の二階派会長である二階幹事長の猛烈な反発が予想されます。公認をもらえないことはもちろんですが、最悪は自民党除名ということも考えられます。
にもかからわず林芳正氏は立候補に踏み切れたのか。
総選挙後に二階幹事長の退任が決まっているからです。
二階幹事長の高齢(81歳)ということもありますが、主流3派閥(細田派・麻生派・竹下派)の二階幹事長への反発というのが正しい見方です。
後任の幹事長は、安倍前総理・麻生財務大臣の盟友である甘利明氏というのが私の見立です。
岸田派(宏池会)の今後
衆議院広島3区
次期衆議院選挙において、広島3区に公明党の斉藤鉄夫氏が立候補することが決まっています。2021年2月、自民党と公明党の選挙対策委員長会談で合意事項となっていることです。
広島3区はもともと、買収の疑いで逮捕された河井克行元衆議院議員の地盤でした。
広島県は故池田勇人元総理以来、宏池会の伝統ある牙城です。そこに公明党はくさびをうってきました。
宏池会会長(岸田文雄氏 広島1区選出)はどのように対応したのか?
結果としては何もできなかった。公明党としては、恐れるに足りずといったところでしょうか。
2019年参議院選挙
2019年の参議院選挙において、広島選挙区(2人区)から立候補した溝手顕正氏は落選しました。当選5回の宏池会の重鎮でした。
広島選挙区は自民党と野党が1議席を分け合う、無風選挙区でした。当時の安倍総理と菅官房長官の意向を受けて、自民党本部は河井克行氏の妻である河井案里氏を擁立。
圧倒的な物量支援を受けた、河井案里氏は当選しました。
河井案里氏の自民党公認を阻止できなかった、岸田文雄氏の威光に傷がつきました。本当に総理・総裁候補なのかと。
宏池会二代目会長
宏池会は古くから、お公家集団といわれています。要するに戦わない集団ということです。
官僚出身者が多かったということもありますが、おそらく二代目会長であった前尾繁三郎氏のイメージが強かったからではないかと思います。
前尾繁三郎氏は、東京大学から大蔵省へ入省。大蔵省時代に池田勇人氏の知己を得て政界入り。池田氏の側近として、自民党幹事長などの要職を経ました。
佐藤栄作元総理の時代、総裁選への立候補に際して煮え切らない態度をとり続けた前尾氏。それに反発した若手グループが起こした、いわゆる大平クーデターによって宏池会会長を失脚することになりました。
当時前尾氏の地元である京都府では、蜷川虎三氏が京都府知事7選中でした。前尾氏も自民党幹事長として、また地元選出の代議士として連戦連敗したことになります。
自身の地元をまとめられないのに、国をまとめることができるのか。
現在の岸田文雄氏につきつけられています。おそらく2021年9月に行われる、自民党総裁選には不出馬となることでしょう。
総選挙後に起こる事
晴れて衆議院議員となった林芳正氏は、総裁選出馬への意欲をかくそうとしないでしょう。過去に1度出馬した経験もあることですし。何より総理総裁になるために、リスクを冒して衆議院議員への転身を図ったのですから。
国会議員は、1国1城の主です。自らの野心のため、また支援者の期待に応えるためにより良いポストを得て、ステップアップしていかなければなりません。総理総裁のポストを禅譲してもらうような、闘争心なきリーダーの下ではそれは実現できません。
菅総理の後継を巡る総裁選の過程において、林芳正氏が立候補の動きを見せた時。宏池会会長の交代という可能性が高まってくるに違いありません。
地方議会議員の報酬は高いのか
各国の地方議会議員の報酬
日本 762万円
韓国 240万円
アメリカ 65万円
ドイツ 50万円
フランス・スウェーデン・スイスなどは無報酬
こういうのを見ると、給料もらいすぎという議論や議員定数の削減という方向になりがちです。
東京都議会議員は手当を含めると、約2400万円の報酬となります。財政規模が違うだけで、議員の仕事に大きな違いがあるとは思いません。都民の一人として、見直してもよいのではという思いは正直あります。
議員の主な仕事は何でしょうか。
・立法する
・住民の意見を反映させる
・採決
といったところでしょう。
大きな役割は行政のチェック機関という役割です。
日本の地方議会は、中選挙区制度を採用しています。この制度のおかげで少数政党も議席を確保して、いわゆる死票を少なくできるのです。
地方議会にかかわる経費には以下のものがあります
・議員報酬と手当
・議長交際費
・印刷製本費
・事務局人件費
などです。
こうした経費は半数以上の自治体において、予算の1%以下となっています。
予算全体から見ると、微々たるものです。
行政の無駄遣いはないのか。また適切な予算執行がされているのか。住民に代わって適切に運用してもらう人と考えれば、それほど高い経費ではないのではないでしょうか。
760万円という報酬は、サラリーマンと比較したら高いと思います。けどべらぼうに高いという訳でもない。
4年に1度、落選(失職)するリスクがあると考えれば、個人的には適正なんじゃないかと思ってます。
デンマークの地方議会
フランス・スウェーデン・スイスなどの地方議会が無報酬ということでしたが、欧州に無報酬・日当制・兼業で議員をしているケースが多いように見受けられます。
1つの事例として、デンマークの地方議会を見ていきたいと思います。
人口 約580万人(北海道が約530万人なので、イメージできると思います)
政治体制 立憲君主制(日本と同じ)
投票率 85%
県・市の役割 県は医療のみで、身近な行政は市が行う。
地方議員 無報酬
デンマークはドイツと陸続きになっている部分と、数多くの島からなっています。そして首都は島にあるという、世界でも珍しい国です。
OECD加盟国中、個人所得が一番高い国。そして、政治腐敗が少ない国となっています。その理由として、移民するにはとてもハードルの高いということも関係あるかもしれません。
市の権限が大きいことは、日本としても参考になる部分ではないかと思います。
こうしたデンマークの事例を日本が採用するとどうなるのか。採用した市町村があるのでご紹介します。
カリスマリーダーが遺したもの
福島県東白川郡矢祭町。人口約5900人。福島県の南端にあり、茨城県との県境にある小さな町です。タレントのあばれる君の出身地でもあります。
平成の大合併が起こっていた2001年、矢祭町は市町村合併をしないという「矢祭町宣言」をしました。マスコミは大挙して矢祭町に押し寄せ、当時の根本元町長が取材の応じて注目の的となりました。他市町村からは大分怨嗟の声があったようですが。
同時に行政のスリム化も行いました。
議員定数 18人→10人
議員報酬 月額20万8000円 →日当制(議会または委員会に出席するごとに3万円)
議員1人あたり、約350万円→約130万円
この他にも、図書館については全国から多くの寄贈があったようです。
議員になることに報酬面の魅力がなくなれば、議員になろうという人や地域の人々の意識が変わることが期待されてこの制度が始まりました。
次回選挙では、仕事を持っていて安定した収入のある人ばかりが当選しました。
制度開始から約20年経ちました。カリスマリーダー不在となり、議会内では再び月額性に戻そうかという議論があるようですが、まだ様子見といったところのようです。
所見
日本の地方選挙というのは、お祭りです。選挙事務所では飲食が振る舞われることが、半ば常識となっています。
選挙カーに乗って、名前を連呼していくとのも日本独特です。そのスタッフもすべてボランティアということはできなくて、日当で雇わなければなりません。河井元法相が逮捕されたのも、この日当の件でしたよね。
政治・行政側にばかり求めるばかりではなく、住民側の意識も分からなければならない問題だと思います。
民主主義はお金がかかります。お金がかかることは悪いことばかりではありません。
都議選は衆院選の前哨戦なのか
2021年東京都議会議員選挙
最近のテレビや新聞などで報道されていることは色々ありますが、次の1点に集約されると思います。
東京オリンピックは開催されるのか。または開催すべきなのか。
有識者・専門家・コメンテーターといわれる方からの様々な意見を聞くと、納得できること、疑問に思うことはあります。受け取る方も人それぞれでしょう。
6月9日に故郷の秋田県八郎潟町で聖火リレーが行われました。幼い頃からお世話になっている叔父さんが聖火ランナーに選ばれ、その様子を母が知らせてくれました。
「親戚の誇り」などと興奮して伝えてきてくれましたが、素直な感想だと思います。オリンピック開催に対する期待は、一般の国民に共通する感情なのです。
オリンピックの影に隠れてしまって、東京都議会議員選挙の報道はあまりにも少ないように感じられます。東京都民として残念です。
公示日 6月25日
投票日 7月4日
前回の都議選では小池旋風が吹き荒れ、都民ファーストの会は大躍進をとげました。そのまま国政に進出すると思われましたが、「排除します」発言で失速。
2017年10月に行われた衆議院選挙では、自民党が大勝利したのは周知のとおりです。
ここで言えるのは
都議会議員選挙と国政選挙の結果は、連動しないという事実です。
中選挙区制と小選挙区制の違い
都議会議員選挙は中選挙区制(1人区~8人区)をとっています。
42選挙区
1人区 7選挙区
2人区 15選挙区
8人区では、およそ各政党が獲得できる議席は予測できます。(当選順位は変動します)
問題は、1人区と2人区です。
前回の小池旋風のような風が吹くと、オセロゲームのように各政党の勝敗がひっくりかえっていきます。しかし全体の数が少ないため、第1党が議席数50%を超えることは難しくなっています。
2021年のように無風の場合は、自民党が勝利します。
2009年に民主党政権が誕生したように、小選挙区制は政権選択という意味づけです。少数政党の意見を反映させるという意味で、比例代表を付加しているのですが。
東京都を含めて、都道府県議会選挙は中選挙区制を採用しています。知事も選挙で選ばれるため、二元政治で互いにチェックし合うということです。
総理大臣を国民が直接選ぶことはできません。そのために衆議院議員のことを代議士と呼ぶのだと私は思います。(個人的な見解です)
都議会議員選挙が重要な意味とは
2021年2月、自民党と公明党の選挙対策委員長が会談して、広島3区の候補者に公明党の斉藤鉄夫氏とすることを発表しました。広島3区は買収の疑いで逮捕された、河井克行氏の選挙区でした。
2021年3月、公明党は東京都議会議員選挙で、自民党と選挙協力することを発表しました。
広島3区は取引に使われたのですね。
国会議員は地元で帰ることが少ないため、各都道府県議会議員が選挙の実働部隊となります。都道府県議会議員に元国会議員秘書が多数いるのは、そういった意味です。
実働部隊をいかに増やして、自身の選挙を有利に戦うか。そのために各政党間での選挙協力が必要になります。
今回の東京都議会議員選挙で言えば、自民党は公明党との協力関係をどの程度強められるのか。2021年10月までに行われる衆議院選挙に向けての試金石となるのです。