北海道で立憲民主党が強い理由
2021年4月25日に北海道2区(札幌市北区・東区)にて補欠選挙が行われ、立憲民主党の松木謙公氏が当選しました。
自民党現職だった吉川貴盛氏が収賄罪で在宅起訴され、議員辞職したことによります。自民党は補欠選挙において候補者を擁立できず、不戦敗となりました。
北海道2区の歴史は、自民党(吉川貴盛氏)と旧民主党(三井辨雄氏)がしのぎを削ってきた選挙区でした。第二次安倍政権誕生後、3回あった選挙では吉川氏が勝利しています。
北海道には衆議院選挙区が12区あります。2017年の衆議院選挙において、5選挙区で立憲民主党が勝利しています。国会の質疑でよく見る、北海道8区選出の逢坂誠二氏が有名なところですね。
ではなぜ北海道で立憲民主党が強いのでしょうか。
一次産業の割合が高く、官公労などの組合の力が強い地盤があった。
今回の北海道2区補欠選挙においても、共産党は候補者擁立を見送って選挙協力をしています。
・立憲民主党が当選見込みの選挙区には候補者擁立を見送る。
・自民党候補者が当選見込みの選挙区に候補者を擁立する。
2021年に行われる衆議院選挙においては、北海道2区においては共産党は候補者を見送ることになると思います。
北海道議会議員選挙
国政選挙の手足となるのが、各都道府県議会議員選挙です。この勢力図を見れば、各政党の足腰の強さが分かります。
2019年に行われた、北海道議会選挙において自民党は36年ぶりに単独過半数を確保しました。
定数100に対して
自民党 51
公明党 8
立憲民主党 24
共産党 3
という結果でした。
特筆すべき結果として、1人区において自民党は17戦中11勝しています。
自力はあるのです。
都道府県議会選挙においては、政党というよりも個人の戦いになります。政党間の駆け引きもしにくく、ガチンコ勝負です。
北海道での共産党
北海道で共産党がどれくらいの得票をもっているのか。
2019年参議院選挙における比例得票をみていきます。
北海道
自民党 比例得票917.061 得票率35%
共産党 比例得票258.470 得票率9.94%
京都府の16%を除くと、共産党としてはトップクラスの得票率を獲得しています。
北海道の特殊事情を知るためには、この2つの存在を語らなければなりません。
北海道教育大学は1949年に設立された国立大学です。北海道内に5つのキャンパス(札幌・旭川・函館・釧路・岩見沢)があります。北海道内に教員を輩出する機関です。
北海道教職員組合員は現在約2万人いると言われています。人数こそ少ないですが、その影響力は絶大です。以前は父兄に政党活動もしていたという話もあるくらいです。まさに共産党の牙城と言っていいでしょう。
コープさっぽろは組合員約180万人おり、北海道の60%の世帯をカバーしています。北海道の人口が約520万人ということを考えると、ものすごい組合員ですよね。
コープさっぽろは店舗運営だけでなく、宅配も有名であり、近年の宅配加盟社数増加は目を見張るものがあります。
コープ=共産党というわけではありませんが、上層部は共産党支持者が多いと考えられるのが一般的です。
今後の北海道での選挙
今後の北海道の選挙を占う上で、札幌市(北海道1区~5区)の動向がカギを握ることになります。立憲民主党は現状、5選挙区のうち3選挙区をとっています。
それに対して、自民党は有効な手段を取れていません。
そういう厳しい状況にあるのが北海道の現状です。